教員ブログ
きけわだつみのこえ・・・学徒出陣から68年
2011/10/21
68年前の今日【1943(昭和18)年10月21日】は、出陣学徒の壮行会が東京:神宮外苑で開かれました。雨の中でした。入隊(軍隊に入ること)を猶予されていた学生が、兵力(兵隊)不足を補うために徴兵されることとなりました。多くの学生が学業の半ばで戦争に動員されて亡くなっていきました。『きけわだつものこえ』という戦没学徒兵の遺書を集めた遺稿集があります。死を覚悟した若者の心情が心に迫ります。機会があったら是非読んでほしい一冊です。京都、衣笠にある立命館大学国際平和ミュージアムに、戦没学生の悲痛な戦争体験を後世に伝えようと彫刻家の本郷新氏により制作された「わだつみ像」があります。興味がある人は是非訪ねてほしいと思います。
また、長野県上田市に「無言館」という戦没画学生慰霊美術館があります。太平洋戦争で志半ばに戦死した画学生100余名、600余点の遺作、遺品が収蔵されています。こちらも作品と一緒になった本がありますので、ぜひ、手にしてほしいと思います。
今、私たちは「平和な時代」の中で学習ができる、スポーツができる、絵が描ける、音楽が聴ける、映画を観れるなどの環境と自由があります。しかし、戦争時代のわが国では、学びたい、スポーツをしたい、絵を描きたいなどと考えていた学生が次々戦争に駆り出され戦死していきました。今の自分をみつめる時に、戦争にのみ込まれていった学生の思いを考え、自分を振り返ることも大切だと思います。(内田)
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