教員ブログ
みんなちがって みんないい
2011/03/11
昨日、3月10日は詩人の金子みすゞの命日です。1903(明治36)年4月11日に山口県仙崎に生まれた彼女は、たくさんの詩を残し、1930(昭和5)年3月10日、僅か26歳の若さで自殺しました。彼女の生地である山口県仙崎には「金子みすゞ記念館」があり、遺稿集や着物をはじめ当時の雑誌・書籍、詩の朗読が聞こえるみすずギャラリーなどもあります。金子みすゞは、大正末期から昭和初期にかけて、26歳の若さでこの世を去るまでに512編もの詩を綴ったとされています。2編の詩を紹介しましょう。テレビのCMでも流れています「星とたんぽぽ」、そして、私の一番のお気に入りである「私と小鳥と鈴と」です。『金子みすゞ童謡集』という文庫本も出ていますので、興味がある人はぜひ読んでほしいと思います。(内田)
『星とたんぽぽ』 青いお空の底ふかく、 海の小石のそのやうに、 夜がくるまで沈んでる、 畫(ヒル)のお星は目にみえぬ。 見えぬけれどもあるんだよ、 見えぬものでもあるんだよ。 散つてすがれたたんぽぽの、 瓦のすきに、だァまつて、 春のくるまでかくれてる、 つよいその根は眼に見えぬ。 見えぬけれどもあるんだよ、 見えぬものでもあるんだよ。
『私と小鳥と鈴と』 私が両手をひろげても、 お空はちっとも飛べないが、 飛べる小鳥は私のように、 地面を速くは走れない。 私がからだをゆすっても、 きれいな音は出ないけど、 あの鳴る鈴は私のように たくさんな唄は知らないよ。 鈴と、小鳥と、それから私、 みんなちがって、みんないい。
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